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洋書レビュー4★Jane Eyre

Hiya !

 

今回は洋書レビューです★

 

 

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Jane Eyre by Chalotte Bronte 

 

Theme:フェミニズム、男女の差、ソーシャルクラス、愛、スーパナチュラル

 

Genre:ゴシック、Coming of Age, 

 

 

私が大学に入って一番最初に読んだ思い出深い本です★

 

過去3つはアメリカ文学でしたが今回はクラシックなイギリス文学の紹介。

 

本の紹介

 

ヴィクトリア時代(1837年〜1901年)の作品は多く

現在でも英文系の学科ではフランスでも

イギリスの大学でも使われる、ド・定番です。

 

 

1847年に出版されたシャーロット・ブロンテの

小説の中で一番有名な一冊。

バカ売れしブロンテ3姉妹と総称して呼ばれますが、

実は6人姉弟でシャーロットは3女です。

姉二人はボーディングスクールでの環境が悪く、

幼い時に病気でなくなっています。

この時に卑劣な環境はJane Eyreでも登場します。

 

この"ブロンテ3姉妹"というのは

小説家になった3人のみを差しますが、

一つ年下の弟もライターとして物書きの道に入っていたようです。

しかし、この家族みんな30代でなくなっていて短命です。

 

 

私が読んだのはペンギンクラシックスの

このヴァージョンです★

 

 

 

 

では、さっそく。

 

本のプロット

  

孤児のJaneは裕福な叔母に虐待され、その息子Johnにも

いつもいじめられ、厄介者扱いされながら暮らしていました。

ある日、いつものようにジョンがいじめてきたので喧嘩になり、

その罰としてRed-Room (赤い部屋)に閉じ込められます。

 

閉じ込められている間にJaneはこの部屋で亡くなった

おじさんの亡霊を見て、怖くて失神してしまいます。

これを機に叔母はJaneを家においておくのも

いやになり寮制のボーディングスクールに送られます。

 

Janeも最初は虐待の家から逃げられるので喜んでいました。

Janeの性格はかわいそうな感じではなく、

逆境の中でも強く自分の意見を持っているようなヒロインです。

 

しかし、ローウッド校での暮らしも

彼女が想像していたものとはかけ離れて、

劣悪な環境な上に学校長は外面がいいだけの冷酷な人間で、

そこにいる女の子たちは十分なご飯も

もらえないような場所での生活が始まります。

 

ここまで見てもわかるように、

孤児⇨家族からの虐待⇨劣悪な学校、と、

Janeの人生は苦労ばかりで、読んでいても

少し滅入ってしまいます。

 

小説には文しか書かれていないのに、

暗〜く雨のシトシトふっているような雰囲気が

頭に想像できるほどです。

(イギリスが舞台であるというのも、

私のこのイメージに関係しているかも。

実際私がイギリスに住んでいた間は8割雨で、空も暗かった〜!!!!!)

 

でも、それほど繊細に言葉が選ばれ、

シーンが表現されているということでもあります。

表現の美しさや繊細さは、現代の英語話者も同様、

形容詞がうまく使えていることがキーだと思います。

 

 

このローウッド校でのシーンで重要なのは

Janeの親友のヘレン。彼女は信仰心が強く、

理不尽で不幸な環境でも自己犠牲をして従順な、

Janeとは真逆の性格で描かれています。

ヘレンのこの様な態度はJaneにとって

心強い存在でありながらも、

時に理解できずイライラする存在でした。

しかし、それはJaneの心の成長に大きな

影響を与えたキャラクターです。 

そんな唯一心を許していたヘレンも疫病のチフスにかかり

亡くなってしまいます。

学校長は自分がチフスにかかることを恐れ、

学校から出て行ってしまいますが、

後任の学校長がきてからはローウッドでの生活は向上し、

学生として6年、その後2年間はJaneが教師となり

ローウッドでの8年間を過ごします。



ここまでがこの本の前半です。

 

後半はローウッドを離れ、ソーンフィールド邸にチューターとして就職、

フランスから引き取られてきたAdel(アデル)という女の子の家庭教師となります。

この豪邸の持ち主はロチェスターという貴族出身の男性ですが、

このロチェスターのお城では奇妙な声が夜中に聞こえたり、

来客が夜中に刺されるなどのゴシックな描写もあります。



その後、ジェーンとロチェスターは恋に落ちます。

しかし、結婚式当日、誓いの言葉を交わす寸前に思わぬ来客が。

そこで、その客から”ロチェスターが既婚者” であることが告げられます。

もちのろん、結婚式は中止。そしてジェーンはロチェスターに別れを告げ

邸宅を離れます。

 

そこから、野宿をしている所を牧師に発見され、

牧師の3兄弟と一緒に素朴な生活を始めます。

偶然にも、この兄弟はジェーンのいとこでしたが、

会ったことのなかったいとこ同士なので、

兄弟の一人、St.Johnはジェーンに恋をし、

インドに宣教に行くのに妻となり付き添ってほしいとプロポーズします。

インドに一緒に行くことを考えていたある晩、ロチェスターが夢に出てきて、

人生でたった一人の愛したロチェスターのことが思い出され、心が揺れ

決心して訪れますが火災で邸宅は全焼してしまっていました。。

そこで、火事の後遺症で視力を失ったロチェスターと再会し、

強い愛を確認しあった二人は結婚することを決めます♡

 

 

 

 

ハッピーエンド、嬉しい!

Janeの辛すぎる人生を読んでいたので最後、安心します笑



この本で重要なのは主人公のJaneだけでなく

ロチェスターの本妻(Berta)はこの本のジャンルにもある

ゴシック要素にとても重要なキャラクターです。

子供の頃にRed-Roomでみたおじの幽霊も同様です。

 

またロチェスターの横柄な態度や馬に乗っていることなども、

この当時のイギリスの文化をとてもよく表しているといえます。

ソーシャルクラスの違いは、ロチェスターのジェーンへの態度に

とてもよく表されています(孤児のジェーンと貴族のロチェスター)

 

 

文学は、物語として読むだけでなく、

著者が何を示しているのか、また分析することに

よって深く知れるとより面白くなると感じます!

 

 

本の紹介

 

Jane Eyre、とってもオススメです! 


 

 

 

 

 

 そして!

狂人Berthaに焦点をあてたWide Sargasso Sea

という本もぜひ見てみてください★

これは、Berthaがロチェスターと結婚する前から

狂人になってソーンフィールドの屋上に幽閉

される前までのお話をJean Rhysという作家が

書いたものです。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

英米文学★学習オススメサイト

 

英米学科だったので、1学期に

アナリズする本が何冊もあり、

一冊ずつすみずみまで読む時間が

なかったり、授業内で先生が言ってた

シンボルやジャンルを詳しく調べる時に

使っていたサイトを紹介します!

 

 

英米文学を分析するオススメサイト

 

 

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1.LitCharts 


リットチャートはクラシックの文学だけじゃなくて、

ポエムも分析しているし、シェイクスピアはもう有名すぎて

別個に網羅しているほどです。

 

www.litcharts.com

 

 

本のタイトルを入れれば、チャプターごとに

要約してくれていて、登場人物もメインなキャラクターは

その続柄や何を表現しているのか説明してくれています。

 

そして、文学を読む&分析する時には

それが描かれた国や情勢、時代背景などが重要な鍵に

なることが多いですし、著者それぞれの特徴なども

説明してくれていておもしろいですし、

そこがわかると、とても勉強になります。

 

 

そしてなにより

すーーーーごく時間短縮になります!笑

 

まぁ、若干のチートですが、いいんです。

本当に10冊くらい読まないといけない時は

もうこういうサイトの手伝いなしには追いつけませんので。

 

こういうサイトを読んで分析して、自分の本にラインいれて

それをまとめるのも体力と時間が必要なので、それだけでも

かなり勉強になりますし、漠然と読むよりも、実際

本がおもしろく感じますよ!

 

 

 

 

2.Sparknotes

 このスパークノートもシェイクスピアは別枠で

検索できるようになっています!

 

 

www.sparknotes.com

 

 

そして、Sparknotesはブログもみれるのですが

文学についてのクイズだったり、

”死ぬべきだったのに死ななかった文学の登場人物”など

おもしろい記事もあります。

 

通常の検索では、本の内容を全部読めるものもありますし

勉強ガイドではLitChartsと同様、あらすじや、

チャプターごとの要約、文学のメインのアイデアなども

まとめてくれています。

 

文学によっては、独特な技法を使っていたり、

著者によってスタイルが違うので、こういう事柄は

きちんと知っておかなければならない部分です。

 

例えば:アメリカの黒人文学で有名なToni Morrisonの

Belovedでは”Stream of consciousness”というのが必ず

説明されるでしょうし、シェイクスピアのA Midsummer Night's Dream

では、"Play in a play" といって劇中の劇というのは有名なスタイルです。

 

 Belovedはレビューしているので、ぜひご覧ください!

⇨    洋書レビュー3★亡霊Belovedの正体は?

 

 

 

 

サイトでは本の中の重要な節を抜粋して、分析してくれています。

この重要なクオートは、もちろん小論文を書く際には

きちんと抜粋し、分析したことを示すためにたとえとして

1段落にはきちんと入れるべきところです。

 

文学分析のガイドがあったり、その本のテーマやシンボルの

解説も書かれているので、きちんとメモしておくと

授業もかなりわかりやすくなります。

 

 

 

この二つは王道だと思いますし、サイトとしても

本当によく分析されていて、大学で扱うクラシックな

文学であれば必ず見つかるかと思います。

 

 

 

ブログの上に貼った写真は、私が読んだ本の

何冊かですが、これはもちろん両サイトで全てみつかります。

 

 

 

とくに興味ない本を読まないといけない時は

こういうサイトを使って、分析がわかると

また興味が湧いてくることもあるし、

ある程度の知識もテスト用に予習ができて

とってもオススメです★

 

 

 

 

 

 

 

英語学習、フランス語学習、留学情報など

何かわからないことがあればコメントいただければ

個別にお返事します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洋書レビュー3★亡霊Belovedの正体は?

 

Hiya!

 

 

 

レビュー三冊目は二冊目に続き、黒人文学です!

 

 

 

 

Beloved by Toni Morrison 

 

 

 

 

著者のToni Morrisonの本はなかなか読みにくい本が多く

Belovedは特に最初から??が飛んでいました(完全に私目線ですが) 

ですが、Morrisonの本でも特に人気がある一冊でもあります。

 

大学で読まないといけなかった一冊で、無理くり読み進めました!

最初は訳わからなさすぎて辛かった(笑) 

 

学校で読まないといけない本が難しくて辛い時は、

私なりのトリックありますので、これは次回紹介します。

 

 

Theme:母親の愛

Genre;Ghost story, historical story 

 

Story : 

The autobiography of Miss Jane Pittman と同様、黒人奴隷時代を背景にした小説で、

著者はとてもよく知られている有名人です。

私が読んでいた2019年の夏にお亡くなりになりました。

読んでた最中だったので、イギリスの田舎町で車のラジオを聴きながら

驚いたのを覚えています。 

 

一つ前の黒人文学、Janeの自叙伝はこちら👇 

ai-en-fr.hatenablog.com

 

 

 

 

本の内容ですが、奴隷解放後に祖母、母、娘、息子2人で農園から逃げてきた家族。

しかし、ある日、どこからか現れた女の子の亡霊がこの家に住みつきます。

その子の名前はBeloved。この女の子がきてから奇妙なことばかりが起き、

息子二人はきみわるがり家をでます。

 

 

この奇妙な娘の正体はセサ(母)が昔、自らの手で殺した娘です。

そのお墓に刻んだ"Beloved"という墓碑銘の名前からきています。


テーマにもあげていますが、この本はBelove, Sethe, Denver、

おばあちゃんのBaby Suggsの4人の女性の”母と娘”の関係を細かく描いています。

 

 

現代の感覚では母親が深い愛情を持ったが故に、自分の娘を殺すというのは

理解できないと思います。しかし、この時代Fugitive Slave Actという法律があり

黒人は白人にみつかれば農園へ強制的に戻され、拷問にあっていました。

 

大切な娘が自分のような

奴隷の人生を送るくらいなら、自らの手で命をうばった方がいい

というセサなりの愛の形から取った行動でした。

 

 

本はナレーター目線で書かれているもの、一人称で自叙伝のように書かれているものなど

いろいろあり、基本的には最初から最後まで同じ主語で書かれていますが、

本書は20〜23の3チャプターはBelovedの目線、Sethesの目線、そしてDenverの目線で

一人称で書かれていて、とてもおもしろいスタイルの小説です。

(Stream of consciousness👈テストに出ます!)

 


それ以外にもBelovedはおもしろいシンボルがいくつかあります。

家の住所は124番。この3番が抜けているのには意味があります。

 

他にもSetheの背中にある奴隷の際にムチで打たれた傷跡

著者Toni Morrisonの強いメッセージが込められています。



 

ちなみに、著者のToni Morrisonはこの物語は彼女がとある日に読んだ記事から

インスパイアされたと語っていました。そしてその記事は娘を守ろうという

深い愛情から娘を殺したという女性の記事だったそうです。

 

 

では、私の好きなQuoteを!

 

 

Clever, but schoolteacher beat him anyway to show him that definitions belonged to the definers - not the defined.” (p155)

 

『そうね、非道だわ。でもスクールティーチャーは結局彼を痛めつけたわ。何が正しいかを定義するのはそれを定義した人の価値観のみで、された方の気持ちなんてなんの意味も持たないってことを示していたわ。』

 

説明:何が人道で、何が正しいかなんて言うことは白人と黒人の間には存在しなかったの時代です。AA(African-American)は一切人間として扱われていなかった当時、白人の言うこと、決めたことが絶対だった時代を物語る一節。

 

 

 

 

 

 

Belovedには男女の愛を表す素敵な文もありますが、

今回は黒人の歴史に関する文学のレビューなので、

この一節を選びました。

 

 

少し読みにくいBelovedでしたが、文学が好きな方には

ぜひ読んでみてほしい一冊です。黒人の歴史書としてもとてもいい本です。

 

 

みなさんのオススメもぜひ教えてください★

 

 

 

 

 

 

 

洋書レビュー2★Jane Pittman + BLM/黒人の歴史について)

 

Hiya!

 

 

 

今回はBlack Lives Matterも最近ニュースでしていて、

日本でも今までより黒人の歴史を調べた人が増えたかな?と思い

この二冊を。大学の3年間は、黒人の歴史、文学、言語学、社会言語学

学んできましたが、そのアメリカ文学でのオススメ二冊がこちら★

 

 

 

 

 

The Autobiography of Miss Jane Pittman by Ernest J. Gaines 

 

 

 

 

 

Theme:   奴隷・奴隷の栄光, 母親・家族愛・人間であるということ

 

 

 Story :

 

南北戦争も終結に近づいた頃、アフカリカン・アメリカンの奴隷として産まれた

主人公Janeの生涯を描いたもので、『ジェーン ピットマンの自叙伝』

というタイトルですが、著者はJane本人ではなく、Ernest J, Gainesという作家です。

 

 

彼がJaneにインタビューして書き下ろした一冊なので実際にはフィクションです!

(著者本人もインタビューでそう答えています。)

 

 

 

この本のテーマは奴隷たちの栄光という大きいものもありますが、

個人的にはは家族愛だと思います。特に女性、母の強さですね。


Janeは奴隷の時のストレスで子供が産めない体になってしまったものの、

奴隷主から逃げ出した際に一緒にいたNedという男の子を息子として育てあげます。

(彼のお母さんは途中で見つかって二人の目の前で殺されてしまいました。)

 

血の繋がりこそない二人ですが、親子としての強い繋がりは本の中でも

たびたび表現されています。

彼女の女性、母親としての内なる強さは読んでいてとても勇気づけられます。

 

 

 

 

奴隷解放宣言がされた後もJaneはアメリカ南部のプランテーション(農園)に住み続けます。

 

解放宣言がされたからといって、黒人の生活はすぐには変化していきませんでした。

それは黒人の元奴隷だった人たちの気持ちも同じくです。

嬉しい反面、とても困惑した気持ちもあったと思います。

 

本書は奴隷解放後の物語ですが、奴隷解放を訴え行動したNed、Tee Bob、Jimmyは

みんな白人に殺されてしまします。

 

 

このことから 奴隷解放後も、アメリカ国内での黒人に対する社会での扱われ方うきぼりになっています。

 

 

 

『人間が人間らしく生きる』ことが普通ではなかった時代のことを考えることは

今、生きていて、なかなかないのではないでしょうか?

 

でも、奴隷が普通だったこの時代は、考えられない拷問や労働を強いられていて、

この本にもその当時の辛い経験が描かれています。

 

この本は、読んでいてJaneに感情移入して泣けるほどでした。

 

 

 

 

 

今回選んだQuoteはこちらです。

 

In closing I wish to thank all the wonderful people who were at Miss Jane's house through those long months of interviewing her, because this is not only Miss Jane's autobiography, it is theirs as well.

 

『最後に、インタビューの期間にJaneの家でお会いしたみなさんに感謝申し上げます。だって、この本はJaneさんの自叙伝ではなく、みなさん(アフリカン-アメリカン全員)の自叙伝なのですから。』

 

 

説明:これは著者であるEarnestが最後に残した文です。

この本はJaneの人生を描いたものですが、本の中で描かれている彼女の壮絶な人生は、この当時の黒人にとってはそれほど珍しいものではなく、本当にたくさんの黒人奴隷が酷い目にあってきました。だからこそ、自叙伝ではありますがこれは他の AA(African-american)の人生も語っているんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして。少しだけ最近のニュースについて。

 

現在起きているBLMのデモについては、私個人、思うことがたくさんあります。

簡単に、"白人警察が黒人の一般人を殺した!人種差別だ!”というシンプルな

ものではありません。その表面だけをみて誰が人種差別だ!誰が悪いと

決めつけるのは浅はかだと私は思います。もちろん、あれはやりすぎでした。

 

しかし、何人の人がフロイド(今回亡くなった黒人の一般人)が前科があったことを

きちんと理解していますか?そして、彼がなぜ今回警察に止められたのかまで

調べた人がいますか?

 

 

1619年に一番最初のアフリカ人がアメリカに連れてこられた時から

2020年の今になってもまだ取り除けていないこの大きな溝があります。

 

それにはきちんと理由があります。

 

歴史や事件の背景を知るというのは、両方のことを中立な立場で調べ、

きちんと理解することだと思っています。

 

私がこういう風に考えるのは、3年間アフリカン・アメリカンの歴史を

いろんな視点から学んだからこそです。

 

これはまた今度別記事でかけたらいいなと思います!

 

 

 

 歴史を一から調べるのは大変ですが

本から入るとわかりやすいかもしれません。

この本はそんなに難しくないのでぜひ機会があれば!

 

洋書レビュー1★超正統派ユダヤ教とは

 

Hiya! 

 

 

今まで読んだ本の中でも★断トツ1位★のお気に入りの本を

わたしなりにまとめてみました!

 

Netflixで観たのがきっかけで、本が読みたくなり、

日本ではまだ販売がなかったのでイギリスから取り寄せました。

 

Unorthodox by Deborah Feldman 



 

本のカバーはNetflixで主人公を演じたShira Haas (シーラ・ハース)さんで、

彼女はイスラエル出身の女優さんです⬅︎役にぴったりです!

 

Theme :Coming of age

 

Story:

 

NYのWiliamsbourgに実在する超正統派ユダヤのコミュニティ(ハジディック派)に生まれた女の子が宗教内で決められた厳しい伝統・ルールにしたがって成長していく中で感じた、疑問、怒り、理不尽さとの葛藤を描いています。ちなみに著者のDeborah Feldmanの自叙伝です。

 

これだけ聞くと結構ネガティブなイメージですが、Coming-of-ageの小説で著者が次第に強い女性になっていく様子がとても細かく描かれています。読んでいて応援したくなりますし、何より宗教学が大好きな私は、超正統派ユダヤ教の伝統がたくさん描写されていて最高にウキウキします(笑)

 

Netflixと本では描いている時期が異なるのですが、

Netflixは、そんな厳しいユダヤ教コミュニティーのルールに耐えれずドイツに逃げ、

そこで繰り広げられる苦悩や新しい友人関係など。

なので、1話はドイツに逃げる少し前からのスタートです。 
結婚式はイスラエルで逃げる前にしているので、多少の時間の前後はあります。

 

 

本はドイツに逃亡する以前の彼女の中学校での生活や結婚までの心情、

その過程でたくさん行われる正統派ユダヤ教の祝日、伝統行事、考え方が

もっと事細かに表現されています。

正統派ユダヤ教の人は長男、長女から順番にほとんどの人が二十歳になる前に

結婚するので主人公も叔母さんが見つけてきた男性と結婚することになります。

 

そして、このコミュニティでは厳格に男女が分けられており、

性教育も結婚するまで一切受けないので(⬅︎男女の体の違いも知らなかったようです)

主人公にとっては結婚前に習う全てが衝撃で心の動揺や葛藤の様子が事細かに

描かれています。

 

 

例えば既婚者は髪をそり坊主にし、かつらをかぶること。

これは結婚したら女性らしさの髪は他の男性を魅了するという理由からです。

他には、月に一度の女の子の日の間は女性は汚いとされ夫は妻を触ること、

一緒のベットで寝ることも禁止。

そして終わったあとは、ミツバという場所に行き、全身を聖なる水に浸して体を清める等。

そして、理想とされる妻は、たくさん子供を産んで夫の言うことは絶対など

現代でよく話題になる男女平等というものは存在しない
(平均的なハシディック派の出産人数は8人)

 

 

この出産人数の多さの理由はとても興味深く、
この正統派の先祖はあのアウシュビッツに

送られたユダヤ人たち だと言われています。

 

そして、収容所に送られ大勢亡くなったので、その人数のユダヤ人を取り戻す為に

たくさん子供を産むように!という伝統らしいです。子供は宝だとされていますし、

もちろんそれだけ大切にしている伝統ですので、子供の人数はコミュニティ内での

自分の評判にとても大きく関わります。 なのでFeldmanは結婚してしばらくは

妊娠しなかったので、その葛藤や周りからの心無い言葉がとても辛かったようです。

 

このように、世界各地の宗教やコミュニティーにはそれぞれのルールがあり、

"ユダヤ教" の中のも、たくさんの種類があります。本書で取り上げられているのは

NYの特定の地域に住む超正統派です。正統派はオーソドックスと呼びますが、

この方々はその中でも、正統派です!

 

 

そしてタイトルはUnorthodoxなので、正統派ではないという否定形の意味ですね。


本の中でも、結婚相手と初めて会った時に、"私は普通の子ではないの"と

伝えるシーンがあります。彼女はコミュニティの伝統にはまれなかった自分自身に

気づいていました。 ですが外部への興味心やコミュニティ内の伝統への不信感が

止められなかったのでしょう。

 

ちなみに、現在はドイツで息子と一緒に暮らしているようですし、

もちろん彼女も息子もユダヤ教を信仰しています☆

 

 

 

最後に、本の中から個人的に好きでパワフルなQuoteをいくつか紹介します。

翻訳も私だし、説明も私個人が感じたことなので、読んだ人がいたらぜひどう感じたか聞きたいです^^

 

 

 

"That wouldn’t explain my womb’s failure to open its doors at that very loud and persistent knock. My strange, rebellious womb, that doesn’t want guests."

 

『うるさくてしつこいほどのノックだったのに、なぜ私の子宮のドアは開くことがなかったのか。私のヘンテコで反発的な子宮、誰もお客を入れたくないらしい。』

 

説明:結婚式が終わって初夜を迎えた時の主人公の一言。
主人公は本を読むのが好きだったので、いろんな比喩が入っていて
とても力強く、おもしろいです。

 

 

 

 

 

“I am convinced that my ability to feel deeply is what makes me extraordinary, and that is my ticket to Wonderland.”

 

『感受性豊かであるというこの才能が私を"風変わり"な存在にしているのはわかってる。でもその才能こそがおとぎの国に行くチケットなのよ。』

 

説明 : 主人公の言葉で、超正統派ユダヤ教の人は、読んでいい本も決められています。主人公はこっそりと外の地域にいって本を借りてきたり、家族の留守中などにいつも隠れて本を読んでいました。 彼女が読んだ本はVirginia Wolfや若草物語などの女性が主人公のものが多かったようです。

 

 

 

 

 

 

“The next day I sign a contract to write a memoir about a person who no longer exists, someone I will be sure to honor with a last remembrance. My two identities have finally split apart, and I’ve killed the other one, I’ve murdered her brutally but justly. This book will be her last words.” 


『この消えてしまった人物の物語を書くと決めた翌日、私は最後に残った記憶を賞賛する気持ちで溢れるでしょう。私の中にあった2つのアイデンティティがついに離れ離れになり、私はその1つを手にかけてしまった。私はそれを残酷に、でも正しかったと信じて殺したのです。この本は、その子の最後の言葉になるでしょう。』

 

説明:著者Deborahの本の最後にある言葉です。
この言葉ふるえる。著者がこの本にかけた意気込みがパワフルすぎる〜

 

 

 

 

 

以上、個人的な洋書のレビューでした★

 

この本は読みやすいのでぜひ!

 

 

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