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洋書レビュー1★超正統派ユダヤ教とは

 

Hiya! 

 

 

今まで読んだ本の中でも★断トツ1位★のお気に入りの本を

わたしなりにまとめてみました!

 

Netflixで観たのがきっかけで、本が読みたくなり、

日本ではまだ販売がなかったのでイギリスから取り寄せました。

 

Unorthodox by Deborah Feldman 



 

本のカバーはNetflixで主人公を演じたShira Haas (シーラ・ハース)さんで、

彼女はイスラエル出身の女優さんです⬅︎役にぴったりです!

 

Theme :Coming of age

 

Story:

 

NYのWiliamsbourgに実在する超正統派ユダヤのコミュニティ(ハジディック派)に生まれた女の子が宗教内で決められた厳しい伝統・ルールにしたがって成長していく中で感じた、疑問、怒り、理不尽さとの葛藤を描いています。ちなみに著者のDeborah Feldmanの自叙伝です。

 

これだけ聞くと結構ネガティブなイメージですが、Coming-of-ageの小説で著者が次第に強い女性になっていく様子がとても細かく描かれています。読んでいて応援したくなりますし、何より宗教学が大好きな私は、超正統派ユダヤ教の伝統がたくさん描写されていて最高にウキウキします(笑)

 

Netflixと本では描いている時期が異なるのですが、

Netflixは、そんな厳しいユダヤ教コミュニティーのルールに耐えれずドイツに逃げ、

そこで繰り広げられる苦悩や新しい友人関係など。

なので、1話はドイツに逃げる少し前からのスタートです。 
結婚式はイスラエルで逃げる前にしているので、多少の時間の前後はあります。

 

 

本はドイツに逃亡する以前の彼女の中学校での生活や結婚までの心情、

その過程でたくさん行われる正統派ユダヤ教の祝日、伝統行事、考え方が

もっと事細かに表現されています。

正統派ユダヤ教の人は長男、長女から順番にほとんどの人が二十歳になる前に

結婚するので主人公も叔母さんが見つけてきた男性と結婚することになります。

 

そして、このコミュニティでは厳格に男女が分けられており、

性教育も結婚するまで一切受けないので(⬅︎男女の体の違いも知らなかったようです)

主人公にとっては結婚前に習う全てが衝撃で心の動揺や葛藤の様子が事細かに

描かれています。

 

 

例えば既婚者は髪をそり坊主にし、かつらをかぶること。

これは結婚したら女性らしさの髪は他の男性を魅了するという理由からです。

他には、月に一度の女の子の日の間は女性は汚いとされ夫は妻を触ること、

一緒のベットで寝ることも禁止。

そして終わったあとは、ミツバという場所に行き、全身を聖なる水に浸して体を清める等。

そして、理想とされる妻は、たくさん子供を産んで夫の言うことは絶対など

現代でよく話題になる男女平等というものは存在しない
(平均的なハシディック派の出産人数は8人)

 

 

この出産人数の多さの理由はとても興味深く、
この正統派の先祖はあのアウシュビッツに

送られたユダヤ人たち だと言われています。

 

そして、収容所に送られ大勢亡くなったので、その人数のユダヤ人を取り戻す為に

たくさん子供を産むように!という伝統らしいです。子供は宝だとされていますし、

もちろんそれだけ大切にしている伝統ですので、子供の人数はコミュニティ内での

自分の評判にとても大きく関わります。 なのでFeldmanは結婚してしばらくは

妊娠しなかったので、その葛藤や周りからの心無い言葉がとても辛かったようです。

 

このように、世界各地の宗教やコミュニティーにはそれぞれのルールがあり、

"ユダヤ教" の中のも、たくさんの種類があります。本書で取り上げられているのは

NYの特定の地域に住む超正統派です。正統派はオーソドックスと呼びますが、

この方々はその中でも、正統派です!

 

 

そしてタイトルはUnorthodoxなので、正統派ではないという否定形の意味ですね。


本の中でも、結婚相手と初めて会った時に、"私は普通の子ではないの"と

伝えるシーンがあります。彼女はコミュニティの伝統にはまれなかった自分自身に

気づいていました。 ですが外部への興味心やコミュニティ内の伝統への不信感が

止められなかったのでしょう。

 

ちなみに、現在はドイツで息子と一緒に暮らしているようですし、

もちろん彼女も息子もユダヤ教を信仰しています☆

 

 

 

最後に、本の中から個人的に好きでパワフルなQuoteをいくつか紹介します。

翻訳も私だし、説明も私個人が感じたことなので、読んだ人がいたらぜひどう感じたか聞きたいです^^

 

 

 

"That wouldn’t explain my womb’s failure to open its doors at that very loud and persistent knock. My strange, rebellious womb, that doesn’t want guests."

 

『うるさくてしつこいほどのノックだったのに、なぜ私の子宮のドアは開くことがなかったのか。私のヘンテコで反発的な子宮、誰もお客を入れたくないらしい。』

 

説明:結婚式が終わって初夜を迎えた時の主人公の一言。
主人公は本を読むのが好きだったので、いろんな比喩が入っていて
とても力強く、おもしろいです。

 

 

 

 

 

“I am convinced that my ability to feel deeply is what makes me extraordinary, and that is my ticket to Wonderland.”

 

『感受性豊かであるというこの才能が私を"風変わり"な存在にしているのはわかってる。でもその才能こそがおとぎの国に行くチケットなのよ。』

 

説明 : 主人公の言葉で、超正統派ユダヤ教の人は、読んでいい本も決められています。主人公はこっそりと外の地域にいって本を借りてきたり、家族の留守中などにいつも隠れて本を読んでいました。 彼女が読んだ本はVirginia Wolfや若草物語などの女性が主人公のものが多かったようです。

 

 

 

 

 

 

“The next day I sign a contract to write a memoir about a person who no longer exists, someone I will be sure to honor with a last remembrance. My two identities have finally split apart, and I’ve killed the other one, I’ve murdered her brutally but justly. This book will be her last words.” 


『この消えてしまった人物の物語を書くと決めた翌日、私は最後に残った記憶を賞賛する気持ちで溢れるでしょう。私の中にあった2つのアイデンティティがついに離れ離れになり、私はその1つを手にかけてしまった。私はそれを残酷に、でも正しかったと信じて殺したのです。この本は、その子の最後の言葉になるでしょう。』

 

説明:著者Deborahの本の最後にある言葉です。
この言葉ふるえる。著者がこの本にかけた意気込みがパワフルすぎる〜

 

 

 

 

 

以上、個人的な洋書のレビューでした★

 

この本は読みやすいのでぜひ!

 

 

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