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洋書レビュー2★Jane Pittman + BLM/黒人の歴史について)

 

Hiya!

 

 

 

今回はBlack Lives Matterも最近ニュースでしていて、

日本でも今までより黒人の歴史を調べた人が増えたかな?と思い

この二冊を。大学の3年間は、黒人の歴史、文学、言語学、社会言語学

学んできましたが、そのアメリカ文学でのオススメ二冊がこちら★

 

 

 

 

 

The Autobiography of Miss Jane Pittman by Ernest J. Gaines 

 

 

 

 

 

Theme:   奴隷・奴隷の栄光, 母親・家族愛・人間であるということ

 

 

 Story :

 

南北戦争も終結に近づいた頃、アフカリカン・アメリカンの奴隷として産まれた

主人公Janeの生涯を描いたもので、『ジェーン ピットマンの自叙伝』

というタイトルですが、著者はJane本人ではなく、Ernest J, Gainesという作家です。

 

 

彼がJaneにインタビューして書き下ろした一冊なので実際にはフィクションです!

(著者本人もインタビューでそう答えています。)

 

 

 

この本のテーマは奴隷たちの栄光という大きいものもありますが、

個人的にはは家族愛だと思います。特に女性、母の強さですね。


Janeは奴隷の時のストレスで子供が産めない体になってしまったものの、

奴隷主から逃げ出した際に一緒にいたNedという男の子を息子として育てあげます。

(彼のお母さんは途中で見つかって二人の目の前で殺されてしまいました。)

 

血の繋がりこそない二人ですが、親子としての強い繋がりは本の中でも

たびたび表現されています。

彼女の女性、母親としての内なる強さは読んでいてとても勇気づけられます。

 

 

 

 

奴隷解放宣言がされた後もJaneはアメリカ南部のプランテーション(農園)に住み続けます。

 

解放宣言がされたからといって、黒人の生活はすぐには変化していきませんでした。

それは黒人の元奴隷だった人たちの気持ちも同じくです。

嬉しい反面、とても困惑した気持ちもあったと思います。

 

本書は奴隷解放後の物語ですが、奴隷解放を訴え行動したNed、Tee Bob、Jimmyは

みんな白人に殺されてしまします。

 

 

このことから 奴隷解放後も、アメリカ国内での黒人に対する社会での扱われ方うきぼりになっています。

 

 

 

『人間が人間らしく生きる』ことが普通ではなかった時代のことを考えることは

今、生きていて、なかなかないのではないでしょうか?

 

でも、奴隷が普通だったこの時代は、考えられない拷問や労働を強いられていて、

この本にもその当時の辛い経験が描かれています。

 

この本は、読んでいてJaneに感情移入して泣けるほどでした。

 

 

 

 

 

今回選んだQuoteはこちらです。

 

In closing I wish to thank all the wonderful people who were at Miss Jane's house through those long months of interviewing her, because this is not only Miss Jane's autobiography, it is theirs as well.

 

『最後に、インタビューの期間にJaneの家でお会いしたみなさんに感謝申し上げます。だって、この本はJaneさんの自叙伝ではなく、みなさん(アフリカン-アメリカン全員)の自叙伝なのですから。』

 

 

説明:これは著者であるEarnestが最後に残した文です。

この本はJaneの人生を描いたものですが、本の中で描かれている彼女の壮絶な人生は、この当時の黒人にとってはそれほど珍しいものではなく、本当にたくさんの黒人奴隷が酷い目にあってきました。だからこそ、自叙伝ではありますがこれは他の AA(African-american)の人生も語っているんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして。少しだけ最近のニュースについて。

 

現在起きているBLMのデモについては、私個人、思うことがたくさんあります。

簡単に、"白人警察が黒人の一般人を殺した!人種差別だ!”というシンプルな

ものではありません。その表面だけをみて誰が人種差別だ!誰が悪いと

決めつけるのは浅はかだと私は思います。もちろん、あれはやりすぎでした。

 

しかし、何人の人がフロイド(今回亡くなった黒人の一般人)が前科があったことを

きちんと理解していますか?そして、彼がなぜ今回警察に止められたのかまで

調べた人がいますか?

 

 

1619年に一番最初のアフリカ人がアメリカに連れてこられた時から

2020年の今になってもまだ取り除けていないこの大きな溝があります。

 

それにはきちんと理由があります。

 

歴史や事件の背景を知るというのは、両方のことを中立な立場で調べ、

きちんと理解することだと思っています。

 

私がこういう風に考えるのは、3年間アフリカン・アメリカンの歴史を

いろんな視点から学んだからこそです。

 

これはまた今度別記事でかけたらいいなと思います!

 

 

 

 歴史を一から調べるのは大変ですが

本から入るとわかりやすいかもしれません。

この本はそんなに難しくないのでぜひ機会があれば!